2007年10月23日火曜日

ゲームとWEBと仮想世界:Blue Mars


私が生まれた年は、ファミコンが出た年だった。

ファミコン、スーファミ、プレステ、プレステ2、ゲームキューブ、Xbox、wiiという家庭用ゲーム機器。ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイポケット、ゲームボーイアドバンス、DSという携帯用ゲーム機器。さらには、windows95によるPCの普及、そして携帯電話。

ゲーム機の変化は、私たちファミコン世代が、一番、実体験を伴って、幼い頃から一通り見てきたと思う。 そして、始めて目にしたTVゲームから考えると、そのクオリティは驚くほどに進化してきた。機器自体も、そしてソフトも。

そのためか、私たちの世代は、セカンドライフを始めとする、
リッチ化を目指した現段階の仮想世界に対しては、
描写のクオリティの低さを強く感じる。ゲームと比較するから。


今日紹介するのは、もしかしたら直近の仮想世界プラットフォームにおいて、
最もビジュアル的クオリティの高いものになるかもしれないというものである。

名前は、Blue Mars。


ハワイに拠点を置くゲーム開発会社のAvatar Realityという会社が、
2006年から開発を進めてきたもので、2008年年末にローンチ予定。

内容は、170年後の惑星改造(テラフォーミング)された火星において、
ユーザーは住人となり,コミュニケーションを楽しむと設定であり、
マーケティング・プラットフォームとしての充実も図るとのこと。

このプラットフォームで一番注目されるのは、その作り手である。


ファウンダー兼CEOである橋本和幸氏は、
元々スクウェアでファイナルファンタジー7の開発を担当しており、 その後、映画「ファイナルファンタジー」の開発をした、Square USA社の最高技術責任者(CTO)を務めていた人物である。直近では、Electric Artsで次世代プラットフォームの技術担当副社長を務めていた。

もう1人のファウンダーであるヘンク・ロジャース氏は、Blue Planet SoftwareのCEOで、長らく“テトリス”のビジネスをしてきた人。最近では、モバイル向けのコンテンツ制作会社である、 Blue Lava Wirelessという会社を設立し、成功を収めたらしい。(Blue Lava Wireless社は2005年に携帯向けゲームプロバイダのJAMDAT社が買収.。さらに、2006年にElectric ArtsがJAMADATを買収。EAが携帯ゲーム配信に本格参入。)

この2人のファウンダーの経歴からも分かるように、
米nintendoやら、tetris online、square、atgamesなど、 ゲーム畑で仕事をしてきた人が終結しており、 このBlue Marsはそんな人たちが作る仮想世界である。

そして、それゆえ、というか、そのため、というか、このプラットフォームは、
現代のゲームのクオリティを、そのまま仮想世界にもちこむ形となっている。

使われているゲームエンジンはドイツのCrytekのCryENGINE 2.0。
トップの写真を見ても分かるように、実映像と見間違うほど高性能であり、
クオリティは他プラットフォームとは一線を画すものとなると思われる。


だが、それゆえに非常に高い性能のPCを実行環境と想定している。

セカンドライフでさえ動かないのに、本当に動くのだろうか。

たった1年や2年で「誰でも」楽しめる状況が来るのだろうか。


私にはなぞだ。

WEB2.0を代表するmixiFACEBOOKを見ていると、
一概に、人は「リッチ」なビジュアルを求めているわけではない。
ということを、ここのところ、とても強く感じている。

WEBの延長線として、仮想世界を見るのと、
ゲームの延長線として、仮想世界を見るのでは、

違った形の世界が出来上がってくるんじゃないだろうか?

人はここに何を求めてくるのだろう。
この世界は何を提供してくれるのだろう。

そして、どのようなプラットフォームが、
どのようなビジネスモデルが、
この分野のど真ん中を突っ切るのか。

競争はまだ始まったばかり。

なおこ